洗っても落ちない!どうしよう?→洗浄性に優れたホースを使おう

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産業用の製造現場において、ホースの洗浄は生産効率と製品品質を維持する重要な工程ですが、「洗浄に時間がかかる」「汚れが完全に除去できない」といった課題は多くの現場で共通しています。

これらの問題は、生産計画の遅延、人件費や洗浄剤コストの増大、さらには製品への異物混入や品質低下といった、事業継続性を脅かす重大なリスクに直結します。

本記事では、なぜ従来のホースでは洗浄が困難なのか、その根本原因を解説します。そして、洗浄不良がもたらすリスクを明確にし、真にサニタリー性に優れたホースが満たすべき条件を解説します。

最終的に、これらの課題に対する解決策として、株式会社八興の「柔軟フッ素ホースシリーズ」が、いかにして洗浄性を向上させ、コスト削減と品質確保に貢献するのかを、具体的な根拠と共に解説します。

なぜホースの汚れは落ちにくい?洗浄時間とコストを増大させる根本原因

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ホースの洗浄が困難である原因は、単に汚れが頑固であるからではありません。

その根本原因は、目に見えない内面の凹凸、洗浄行為そのものが引き起こす材質の劣化、そして継手部分の構造的な欠陥という、ホース自体が抱える物理的・化学的な問題にあります。

以下ではホースの汚れがなぜ落ちにくくなるのか?について3つの観点から解説します。

目に見えない内面の凹凸が残渣の温床に

肉眼で平滑に見えるホースの内面も、実際には微細な凹凸のある構造をしています。この表面の粗さは、算術平均粗さなどの指標で数値化されます。

この微細な隙間が残渣や微生物の「足がかり」となり、一度付着すると除去が困難な温床となります。特に、凹凸に付着した微生物が分泌する粘着性の物質は、洗浄剤が効きにくい「バイオフィルム」を形成し、強固な汚染源となります。

食品加工機械の衛生要件を定めたJIS規格でも、不適切な表面粗さが危害につながる可能性を指摘しています。

洗浄剤による材質の劣化が問題をさらに悪化させる

定置洗浄(CIP)などで使用される高温の洗浄剤は、軟質塩化ビニル(PVC)などの材質を劣化させます。柔軟性を与えるための可塑剤が溶出したり、熱や薬品で表面に微細な亀裂が生じたりすると、さらに汚れが付着しやすくなります。

また、劣化したホースの破片が製品に混入する「異物混入」のリスクも増大します。衛生を確保するための洗浄が、結果的にホースを劣化させ、問題を悪化させるという悪循環を招きます。

見落としがちな継手部分の「液だまり」という罠

ホースと配管を接続する一般的なタケノコ継手などは、構造的に段差や隙間が生じやすく、洗浄液が届きにくい「液だまり」が発生します。

この滞留部分が微生物の温床となり、流路全体の汚染源となるため、液だまりの生じないサニタリー継手を用いるなどの衛生設計が求められます。

高い洗浄性を実現するホースが満たすべき3つの条件

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前述した汚染の根本原因は、ホースの材質特性を見直すことで解決が可能です。

ここでは、高い洗浄性能の実現に求められる「内面平滑性」「耐薬品性」「低溶出性」という3つの材質特性について解説します。

残液が付着しない圧倒的な「内面平滑性」

高い洗浄性を実現するための最も基本的な条件は、ホース内面が極めて平滑であることです。

肉眼では滑らかに見える面にも、微視的なレベルでは凹凸が存在します。この微細な溝や隙間が、残渣や微生物の付着の起点となり、洗浄時の水流が届きにくい「隠れ家」を形成してしまいます。ETFEのようなフッ素樹脂は、製造プロセスにおいて極めて平滑な内面を持つように設計されており、汚染物質が付着するための物理的な足がかりを与えません。

これにより、汚染の第一段階である「付着」を根本から防ぎ、洗浄性を飛躍的に向上させます。

多様な洗浄方法に対応する「高い耐薬品性」

洗浄による劣化を防ぐためには、ホース材質が使用される流体だけでなく、洗浄剤に対しても化学的に安定していることが求められます。

フッ素樹脂は、酸、アルカリ、殺菌剤といった広範な薬品に対して優れた耐性を持ち、劣化しにくいため、長期にわたって内面の平滑性を維持し、ホースの長寿命化に貢献します。

ホース自身が汚染源にならない「低溶出性」

理想的なホースは、構成成分が流体中に放出されない「低溶出性」を備えている必要があります。

PVCなどに含まれる可塑剤が溶出すると、製品の風味を損なうだけでなく、微生物の栄養源となる可能性が高くなります。食品に接触する器具や容器包装は、食品衛生法によって厳しく規制されており、近年では安全性が評価された物質のみが使用を許可されるポジティブリスト制度が導入済みです。

可塑剤を含まないフッ素樹脂は、本質的に溶出リスクが極めて低く、高い安全性を確保します。

ポジティブリストについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご確認ください。
ポジティブリストリンク

洗浄時間を大幅に削減!八興の柔軟フッ素ホースが選ばれる理由

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ここでは、八興のスーパー柔軟フッ素ホースシリーズを構成するETFEフッ素樹脂の特性、導入のメリットや継手など、同製品が課題解決に貢献する理由を具体的に解説します。

ETFEフッ素樹脂による究極の平滑性とその効果

八興のスーパー柔軟フッ素ホースシリーズは、内層に4フッ化系フッ素樹脂を採用しています。ETFEが持つ優れた非付着性、広範な耐薬品性、そして接液面に可塑剤を含まないことによる低溶出性は、これまで述べた課題を根本から解決します。

汚染物質が固着しにくいため洗浄工程が簡素化され、洗浄時間やコストの削減、ひいては生産性の向上に直結します。

洗浄効率化による生産性向上と品質確保

カレー原料のように着色しやすく油脂分を多く含む流体の搬送では、ホースの洗浄性が大きな課題となります。

例えば、一般的に使用される食品用シリコンホースは、カレールーなどの着色汚れが落ちにくく、洗浄に時間がかかることがあります。このような課題に対し、八興の「スーパー柔軟フッ素ホース」は優れた特性を発揮します。

スーパー柔軟フッ素ホースは汚れが付きにくく、付着した汚れも落ちやすい特性を持っています。また、次亜塩素酸ナトリウムや苛性ソーダといった薬品洗浄にも優れた耐久性を示すため、ホースの劣化を気にすることなく確実な洗浄が可能です。

結果的に洗浄作業が効率化され、多くの食品工場や香料・着色料工場で採用されています。

ホースから継手まで、システム全体で実現するサニタリー性

八興は、液だまりのリスクを排除するため、サニタリー性の高いフェルール継手である、加締めアッセンブリ製品も提供しています。

ホースと継手を一体化することで、接続部の内部に段差や隙間が生じないよう精密に設計されており、「液だまり」のリスクを根本から排除します。

まとめ|洗浄性でホースを選ぶことが、コスト削減と品質向上の最短ルートである

洗浄時間の長さ、それに伴う人件費や生産ラインの停止、製品への異臭・異物混入のリスク。これらの課題は、日々の運用努力だけで解決するには限界があります。

本記事で解説したように、問題の根本原因は、使用しているホースの材質そのものにある場合が少なくありません。

ホースの選定基準を、単なる「部品」から、製品品質と生産性を左右する「戦略的要素」へと転換することが、課題解決の鍵となります。八興の柔軟フッ素ホースシリーズは、まさにその思想を具現化した解決策です。卓越した内面平滑性と耐薬品性、低溶出性により、洗浄の負担を劇的に軽減し、コンタミネーションのリスクを根本から排除します。

もし現在お使いのホースの洗浄性や耐久性にご課題を感じているのであれば、ぜひ一度、八興にご相談ください。お客様の製造ラインに最適なホースを選定し、コスト削減と品質向上に貢献する具体的なご提案をいたします。
柔軟フッ素ホースシリーズ

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