フッ素ホースは高価!塩ビホースは溶出リスクに要注意!おすすめホースは?

フッ素ホースは高価!塩ビホースは溶出リスクに要注意!おすすめホースは?
食品・化粧品・香料・薬品の製造ラインにおいて、塩ビホースはそのコストパフォーマンスと加工のしやすさから、広く採用されています。
しかし、「可塑剤の溶出による異味・異臭」「アルコール洗浄後の硬化・ひび割れ」「交換頻度の増加によるライン停止」といった課題を抱えている現場も少なくありません。
一方で、高性能なフッ素ホースへの全面切り替えはコスト負担が大きく、さらに将来的なPFAS規制への対応も求められる状況です。
本記事では、フッ素ホースと塩ビホースの板挟みで起きている現場課題を整理したうえで、PFASフリー・低溶出・低臭気を実現する「中間ゾーン」のホースによる解決策を解説します。
品質リスクの低減、メンテナンス性の向上、トータルコストの最適化を実現するための選定基準をご紹介します。
- 1. フッ素ホースと塩ビホースの板挟みで現場に起きている課題
- 1.1. 高価なフッ素ホースに依存したときの導入・更新コストの負担
- 1.2. 塩ビホースの溶出・臭気が招く品質クレームとブランドリスク
- 1.3. ホース硬化・ひび割れによる交換頻度増加とライン停止・保全工数の増大
- 2. PFASフリーとコストを両立するためにホースに求める条件
- 2.1. PFASフリー対応と将来の規制・顧客要求を見据えた選定基準
- 2.2. 食品・化粧品・香料・薬品向けに欠かせない低溶出・低臭気性能
- 2.3. アルコール・薬品・洗浄条件に耐えることで得られるTCOメリット
- 3. フッ素/塩ビ/KYシリーズの比較と“中間ゾーン”としての活かし方
- 3.1. フッ素ホース・塩ビホース・KYシリーズの特徴とPFAS・コストの比較
- 3.2. KYシリーズでフッ素ホースと塩ビホースのギャップを埋めるポイント
- 4. まとめ|PFASフリー・低溶出ホースを標準材質にして品質とコストを両立させる
フッ素ホースと塩ビホースの板挟みで現場に起きている課題

製造現場でホースを選定する際、「フッ素ホースか塩ビホースか」という二択の前で立ち止まる担当者は多いものです。
ここでは、この二者択一が引き起こす現場の具体的な課題について解説します。
高価なフッ素ホースに依存したときの導入・更新コストの負担
フッ素ホースの単価は、同等サイズの塩ビホースと比較して数倍から十数倍に達することも珍しくありません。設備全体にフッ素ホースを採用した場合、初期導入費用だけでなく、定期的な更新時にも大きなコスト負担が生じます。
特に配管距離が長い設備では、ホース購入費用が設備コストに与える影響は無視できません。品質基準を満たすためにはフッ素ホースを選ばざるを得ないーそうした板挟み状態に陥る現場は少なくないのが実情です。
塩ビホースの溶出・臭気が招く品質クレームとブランドリスク
軟質塩化ビニル(PVC)ホースは、その優れたコストパフォーマンスから多くの製造現場で採用されてきました。しかし、ホースを柔らかく保つために配合される可塑剤や安定剤は、お湯やアルコールを流した際に溶出する可能性があります。
この溶出は、食品や飲料に異味・異臭を付与する原因となり得ます。実際に、お惣菜製造工場で新しい塩ビホースを使用した際、煮物にホースの樹脂臭が移行してしまった事例も報告されています。
こうした臭気移りは消費者からのクレームに直結し、製品回収やブランドイメージの毀損を招きかねません。
ホース硬化・ひび割れによる交換頻度増加とライン停止・保全工数の増大
軟質塩ビホースは、アルコールや薬品による洗浄を繰り返すと、可塑剤が抜けて硬化が進行します。硬化したホースは柔軟性を失い、継手部分からの漏れやひび割れを引き起こす原因となるのです。
ホースの劣化は予測が難しく、突発的なライン停止を引き起こすことも珍しくありません。ホース交換のたびにラインを止めて作業を行う必要があり、交換頻度の増加に伴って生産効率の低下と保全担当者の工数増大が課題となっているケースが見られます。
PFASフリーとコストを両立するためにホースに求める条件

現場が求めるのは「高すぎず、品質リスクも低い」ホースです。
ここでは、将来の規制動向や顧客要求も視野に入れながら、ホース選定において重視すべき条件を解説します。
PFASフリー対応と将来の規制・顧客要求を見据えた選定基準
PFASは用途によっては有用な性能を持つ一方で、一部物質で環境残留性や健康影響が懸念されており、規制強化が進んでいます。そのため、『現時点で直ちに危険だから』というより、『将来の規制・顧客要求を見据えてPFASフリーの選択肢を検討しておく』というスタンスが現実的です。
こうした規制強化の流れの中で、EUではREACH規則に基づくPFAS包括規制案の審議が進んでおり、フランスでは2026年1月から化粧品等へのPFAS規制が予定されているほか、米国でも州レベルでの規制が拡大中です。
日本国内においても、化審法に基づきPFOS・PFOA・PFHxSが規制対象となっているほか、食品安全委員会が2024年6月にPFASの食品健康影響評価(要点)を公表するなど、リスク評価と管理の動きが進んでいます。
出典:内閣府 食品安全委員会「有機フッ素化合物(PFAS)に係る食品健康影響評価及びパブリックコメント回答の要点」
グローバル展開する企業にとって、PFASフリーのホース選定は戦略的判断となりつつあり、顧客からPFASフリー証明を求められるケースも増加傾向にあります。
食品・化粧品・香料・薬品向けに欠かせない低溶出・低臭気性能
製品品質を左右するホースの性能として、低溶出性と低臭気性は最も重視すべき項目に挙げられます。ホースは流体との接触面積が大きく、材質によっては内容物に影響を与える物質が溶出する場合があるためです。
JIS S 3200-7:2004『水道用器具・浸出性能試験方法』に基づく試験では、ホース材質ごとの溶出特性を客観的に評価可能です。食品衛生法に適合していることは当然として、その先の「内容物への影響を最小限に抑える」性能が、製品の味・香り・分析値の安定性を支えます。
アルコール・薬品・洗浄条件に耐えることで得られるTCOメリット
ホースの選定においては、初期導入コストだけでなく、交換費用・ライン停止による機会損失・保全工数を含めたTCO(Total Cost of Ownership)の視点が欠かせません。
洗浄条件に耐えられるホースを選定することで、交換サイクルを延長し、突発的なトラブルを防止できます。
可塑剤を含まない材質であれば、洗浄による硬化の進行を抑えられるため、長期にわたって柔軟性を維持することが可能です。
フッ素/塩ビ/KYシリーズの比較と“中間ゾーン”としての活かし方

ここまで解説してきた選定条件を踏まえると、フッ素ホースと塩ビホースの間には、性能とコストの両面で大きなギャップが存在することがわかります。
このギャップを埋める選択肢として注目されるのが、オレフィン系樹脂を内層に採用した八興の「KYシリーズ」です。
ここでは、フッ素ホース・塩ビホース・KYシリーズの3者を特徴・PFAS対応・コストの観点から比較したうえで、KYシリーズを「中間ゾーン」として活用する際の具体的なポイントを解説します。
フッ素ホース・塩ビホース・KYシリーズの特徴とPFAS・コストの比較
製造現場でホースを選ぶ際、フッ素ホースの最高性能と塩ビホースの低コストの間で悩む担当者が多いものです。
ここでは、耐薬品性・溶出・臭気・コストの主要5項目で3種類を比較します。
| 項目 | フッ素ホース | 塩ビホース | KYシリーズ |
| 耐薬品性・低溶出性 | 最高(極低溶出) | 低(可塑剤溶出リスク) | 高(低溶出・低臭気) |
| コスト | 高(塩ビの数倍~10倍程度) | 低 | 中 |
| 洗浄耐性 | 優 | 低(硬化) | 優 |
この比較から、塩ビホースの品質課題を解決するためにフッ素ホースを検討しても、5〜10倍というコスト差がネックとなるケースは多々あるでしょう。
その点、KYシリーズであれば、フッ素ホースに近い低溶出性と洗浄耐性を備えながら、塩ビホースの1.5〜2倍程度(サイズにより異なる)のコストで導入可能です。PFASフリーも実現しており、品質とコストを両立させたい現場にとって現実的な選択肢といえます。
品質クレームやライン停止を減らし、TCOを最適化したい現場に最適です。まずは試作用KYサンフーズ(E-KYS)を1本導入して効果を実感してください。
KYシリーズでフッ素ホースと塩ビホースのギャップを埋めるポイント
KYシリーズを活用する際のポイントは、以下の3点です。
【品質リスクの低減】
塩ビホースからKYシリーズに切り替えることで、可塑剤の溶出や樹脂臭気の移行を抑えられます。
お惣菜製造工場でKYサンフーズ(E-KYS)を採用した事例では、新しいホースに交換した際の臭気抜き洗浄が不要となり、洗浄時間と労務コストの削減につながりました。
【メンテナンス性の向上】
オレフィン系樹脂は耐薬品性に優れ、アルコールや薬品洗浄による硬化が生じにくい特性を持っています。
【将来を見据えた材質選定】
PFASフリーであるKYシリーズは、今後の規制強化や顧客要求の変化に対して先回りした対応を可能にします。
まとめ|PFASフリー・低溶出ホースを標準材質にして品質とコストを両立させる
製造現場におけるホース選定は、製品品質・コスト・メンテナンス性・将来の規制対応といった複数の観点から判断する必要があります。
KYシリーズは、PFASフリー・低溶出・低臭気という特性を備えながら、フッ素ホースと塩ビホースのコストギャップを埋める「中間ゾーン」の選択肢です。
まずは自社ラインで使用しているホースの現状を棚卸しし、課題がある箇所からKYシリーズへの切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。


