ひっかかりにくくしなやかなエアーホース

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工場の生産ラインや組立工程では、釘打ち機やインパクトレンチなどのエアーツールが日常的に使われています。

その性能を最大限に発揮させるには、「エアーホースの取り回しやすさ」が欠かせません。

しかし、これらの機器に接続されるエアーホースが「硬い」「ひっかかる」「取り回しにくい」といった問題を抱えていると、作業者の負担増加や設備トラブル、さらには安全リスクにまでつながることがあります。

本記事では、保全・生産技術部門の担当者に向けて、従来のエアーホースが抱える課題を整理したうえで、しなやかさで扱いやすいエアーホースと専用継手を組み合わせることで得られる改善効果を解説します。

帯電防止用ホースの役割にも触れながら、エアーホース選定の判断基準をご紹介します。

工場のエアーホースが「硬くてひっかかる」と現場で何が起きるか

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エアーホースの「硬さ」や「ひっかかりやすさ」は、単なる作業者の不満にとどまりません。この問題は、作業効率、設備の信頼性、そして職場の安全性に対して、複合的な影響を及ぼすものです。

ここでは、硬いエアーホースが現場にもたらす具体的な問題を3つの観点から整理します。

作業者の動きが制限され、作業性と疲労が悪化

硬いエアーホースは、作業者の動作範囲を物理的に制限します。エアーツールを持って移動する際、ホースの剛性が高いと、引き回すために余計な力が必要です。特に、狭い作業スペースや高所での作業では、この影響が顕著に現れます。

また、硬いホースには「曲げ癖」がつきやすいという特性があります。一度巻き癖がついたホースは、床面でループ状に膨らんだり、不規則な形状で横たわったりするため、作業者は常にホースの位置を気にしながら動かなければなりません。

この「ホースを意識しながら作業する」という認知的負荷が、1日の作業を通じて蓄積し、疲労増大の一因となります。

厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」でも、作業姿勢の制限や無理な体勢での作業が筋骨格系障害のリスク要因として挙げられています。硬いホースによる動作制限は、まさにこのようなリスクを高める要因といえるでしょう。

設備トラブルとメンテナンス負荷が増加

硬いエアーホースがひっかかりやすい環境では、ホース自体の損傷リスクが高まります。装置のフレームや足場にホースが引っかかった状態で作業者が移動すると、ホース外皮に擦過傷が生じ、そこから劣化が進行するためです。

また、急激な引っ張りによって継手部分に過度な応力がかかり、エア漏れを引き起こすこともあります。ホースの交換頻度が増加すれば、部品コストだけでなく、交換作業に伴うライン停止時間も発生します。

保全部門にとっては、計画外のメンテナンス対応が増えることで、本来注力すべき予防保全や設備改善に割ける時間が減少するという問題も見過ごせません。

さらに、継手の緩みやホースの折れによるエア供給圧の低下は、エアーツールの出力不足を招きます。釘打ち機であれば打ち込み不良、インパクトレンチであれば締め付けトルク不足といった形で、製品品質に影響を及ぼすリスクがあります。

安全リスクと生産性低下

床面に不規則に広がった硬いホースは、つまずき事故の原因となります。

製造業における転倒災害の多くは、床面の障害物や足元の視認性低下に起因するものです。曲げ癖のついたホースが作業エリアに散在する状況は、転倒リスクを高める典型的な環境といえるでしょう。

また、ホースのひっかかりは、段取り替え時間のロスにも直結します。

作業者がエアーツールを持って次の作業位置に移動する際、ホースが引っかかるたびに作業が中断されるためです。1回あたりの時間は数秒程度であっても、1日を通じて積み重なれば、無視できないロスとなります。

こうした「小さなストレスの蓄積」は、作業者のモチベーション低下や、急いでホースを引っ張ることによる二次的なトラブルを誘発する要因にもなりかねません。

しなやかで扱いやすいエアーホースに求められる条件

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先ほど解説した課題を解決するためには、エアーホースの材質・構造・付属品を総合的に見直す必要があります。

ここでは、しなやかで扱いやすいエアーホースに求められる3つの条件を解説します。

条件1|作業性を高めるしなやかさ・軽さ・曲げ癖

エアーホースの取り回しやすさは、材質の柔軟性に加えて、肉厚・補強構造・温度環境の影響を大きく受けます。

工場で使用されるエアーホースでは、取り回し性の観点からポリウレタン(PU)材質が採用されているケースが多くみられます。PUはPVC(ポリ塩化ビニル)と比較して柔軟性に優れ、常温域ではしなやかな取り回しが可能です。

また、同等クラスの内径・耐圧を満たす設計であれば、材質や設計次第で軽量化もしやすく、作業者の負担軽減に寄与します。

一方、PVCはコストパフォーマンスに優れる反面、環境温度の低下に伴って硬さが増しやすい傾向があります。冬季や空調の影響が少ないエリアでは取り回しが重く感じられる場合があるでしょう。なお、PUも低温環境下では硬化する傾向があるため、使用環境の温度条件を踏まえた材質選定が重要です。

また、曲げ癖のつきにくさも重要な評価項目となります。曲げ癖が残りにくいホースは、使用後に巻き取っても形状が戻りやすく、次回使用時にスムーズに展開できます。

結果として、作業開始時のホース整理の手間が減り、段取り時間の短縮につながります。

条件2|ひっかかりを抑えるホース構造と専用継手

ホースのひっかかりは、外面の摩擦と継手まわりの段差に起因します。

外面は必ずしも平滑であるほど良いとは限らず、細かな凹凸によって接触面積が減り、滑り性が高まるタイプもあります。

配管や治具が多い環境では、この違いが移動時の引き回し抵抗として表れます。外径は細いほど扱いやすい一方、耐圧性能や潰れにくさ、最小曲げ半径とのバランスを踏まえた選定が必要です。

加えて、汎用継手はホースとの適合が十分でない場合、締結状態が不安定となり、端部への応力集中やエア漏れの要因になり得ます。
専用継手はホースの寸法公差を前提に設計されており、耐圧性能を確実に引き出せる点が利点です。ひっかかり低減と接続部の信頼性向上のため、ホースと継手はセットでの選定を推奨します。

条件3|静電気・粉じんトラブルを防ぐ帯電防止性能

エアーホース内を圧縮空気が高速で流れると、ホース内壁との摩擦によって静電気が発生します。この静電気は、ホースが帯電して周囲の粉じんを吸着する原因となるほか、放電時のスパークが可燃性雰囲気下での着火源となるリスクも孕んでいます。

特に、木工加工や塗装工程など、可燃性の粉じんやミストが浮遊する環境では、帯電防止用ホースの採用が有効です。帯電防止用ホースは、ホース材質に導電性の添加剤を配合するか、または表面に導電性のコーティングを施すことで、発生した静電気を速やかに逃がす設計となっています。

エアーホースシリーズ+専用継手による改善例

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ここまで解説してきた条件を満たすエアーホースを導入した場合、現場ではどのような改善が期待できるのでしょうか。

具体的な改善ポイントと導入事例を紹介します。

しなやかなエアーホースに切り替えたときの改善ポイント

しなやかなホースへの切替は、ホースが原因で作業が止まる場面を減らし、取り回しを安定させる点に価値があります。

八興の「ソフトニューフレックス(E-SNF)」は、ソフトポリウレタンによる超柔軟性に加え、表面スムース仕上げで「引っ掛かり難く作業性が向上」する設計です。軽量で手首・腕の負担軽減をうたい、気温-20℃でも硬化しにくい耐寒性も備えます。

さらに、目立つ色で足元の引っかかり防止に配慮し、専用継手(φ6.5/φ8.5)との組合せで選定ミスによる事故予防にもつながります。

エアーホースシリーズ+専用継手による期待改善効果

しなやかなエアーホースと専用継手を組み合わせることで、ホースのひっかかりや継手部の段差を最小限に抑え、作業者の取り回し負担軽減と損傷リスク低減が期待できます。

帯電防止タイプ(例: E-AHG)と専用継手を使用すれば、静電気蓄積による粉じん付着やスパークリスクを抑制し、安全性向上とメンテナンス工数の削減が見込まれます。

これにより、段取り替え時間の短縮やホース寿命延長といった生産性改善効果が得られ、保全担当者の負担軽減にも寄与します。

▼エアーホース専用継手

▼エアーホース専用ワンタッチジョイント

まとめ|エアーホースと専用継手の見直しで、エアーツール周りのストレスを減らす

工場のエアーホースが「硬くてひっかかる」という問題は、作業者の疲労、設備トラブル、安全リスクという形で、現場の生産性と安全性に影響を及ぼします。

この課題を解決するためには、しなやかさ・軽さ・曲げ癖のつきにくさを備えたホースを選定し、ひっかかりを抑える専用継手と組み合わせることが有効です。

また、静電気や粉じんトラブルが懸念される環境では、帯電防止用ホースの採用も検討すべき選択肢となるでしょう。

八興のエアーホースシリーズは、こうした現場の課題に応えるために開発された製品ラインナップです。しなやかな取り回し性と耐久性を両立したスタンダードタイプから、帯電防止性能を備えた特殊用途向けまで、使用環境に応じた選択肢を用意しています。

専用継手との組み合わせにより、ひっかかりの原因となる段差も最小限に抑えた設計です。

「硬い」「ひっかかる」「交換が早い」と感じたら、それは改善のサインです。まずは八興のエアーホースシリーズを1本だけでもお試しください。現場の取り回しが、確実に変わります。

用途や使用条件に合わせた最適な製品選定についてのご相談も承っておりますので、以下リンクより、製品をご確認ください。

▼ エアーホースシリーズの製品仕様・サイズラインナップはこちら

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