脱気装置にバリアチューブが必要な理由
1. 酸素混入による食品・飲料の変色・風味への影響を抑制するため
食品・飲料の搬送・生産工程において、使用する水等の流体に酸素が混入すると酸化によって食品・飲料の変色や風味に影響を及ぼす可能性があります(溶存酸素)。これを抑制するために脱気装置が使用され、脱気処置が施された水等の流体を使用することができます。
このとき、水の搬送時に汎用的な樹脂チューブを使用すると外気からの酸素の混入が生じることで脱気効率が低下する可能性があります。
この問題を防ぐために、搬送用の樹脂チューブにはガス・酸素のバリア性が要求されます。
2. 金属配管の錆の発生を抑制するため
配管の使用シーンでも酸素は大敵です。水の搬送用に配管を使用する場合、酸素が留まり溶存酸素量が増加し続けると、酸化により配管が錆びてしまうリスクが生じます。
この問題を防ぐために、水の搬送用の配管に脱気装置を併用するシーンがあります。この際、脱気処理後の水の搬送チューブにはガスバリア性が要求されます。
3. 分析装置・クロマトグラフィ・HPLCでの脱気処理のため
精密性が要求されるクロマトグラフィ、HPLC分析機器においても、脱気処理のニーズがあります。
これまでと同様に、脱気処理後の流体の搬送用チューブにはガスバリア性が要求される場合があります。
ガスバリアー性 データ
■臭気試験
チューブ内に臭気がある流体(メロンシロップ)を封入。チューブ両端にゴム栓をして封をする。
におい袋にクリーンエアーを入れてからチューブをにおい袋に投入して、袋にゴム栓をする。
40℃環境に24時間放置後、におい袋内の臭気を2つの方法でチェックし、相対比較する。
■官能試験
5人のパネラーが各チューブの臭気を評価(写真参照)。ブランクと比較したときの臭気を0~3で評価し各チューブの平均値をグラフ化した。
臭気センサー測定試験
上記試験より、E-BTOは市販PEチューブ・フッ素チューブよりも臭気バリア性に優れていることを確認した。
柔軟フッ素チューブ バリアー性
柔軟フッ素チューブ【E-PD】の内層2フッ化系フッ素樹脂は、樹脂の中でもガスバリアー性が優れる素材です。