柔軟性があるホース
ホース・チューブの柔軟性は材質、構造、サイズによって変わります。
柔軟性の目安として許容曲げ半径値を参考にしているケースがありますが、厳密には許容曲げ半径値は柔軟性を示すデータではありません。
許容曲げ半径の定義は、ホースが折れずに、かつ流体が安全に流せる曲げ半径で、これ以上、小さな曲げ半径で使用しないでください、というものです。※試験方法・定義は各メーカーによって異なります。
導入事例
採用製品:柔軟フッ素チューブ【E-PD】
流体:ミネラルオイル
採用ポイント:柔軟性、高純度
・ユーザー課題
血液中の投薬効果を分析する小型機器を製造するメーカー様の事例です。
作業者が手持ちで運べるように、機器ユニットは近年小型・軽量化が進んでおり、チューブは極めて狭い空間に曲げて収納する必要がありました。測定結果に影響するためチューブは高純度・低溶出のテフロンチューブの使用が必須ですが、小さく曲げようとするとすぐに折れてしまう点がネックでした。

・八興からの提案
柔軟フッ素チューブ【E-PD】は、接液面がPVDF系フッ素樹脂のため高純度・低溶出である一方、外層はポリウレタンのため耐キンク性・柔軟性に優れています。
サンプルを実機でお試しいただいた結果、チューブが折れることなくコンパクトに収納できることができ、大変喜んでいただきました。中長期的な開発計画のもと、量産機種に組み込まれる見込みです。
-
対象製品
-
技術資料
■対象製品
スーパー柔軟フッ素ホース(ウルトラソフト) E-SJBUS
スーパー柔軟フッ素スプリング(ウルトラソフト)E-SJSPUS
スーパー柔軟フッ素チューブ(ウルトラソフト) E-SJUS
スーパー柔軟フッ素チューブ・ブラック(ウルトラソフト)E-SJUS-BK
■技術資料
曲げやすい・薬品に強い・洗いやすいースーパー柔軟フッ素ホース
耐キンク性試験ー柔軟フッ素チューブシリーズ VS 市販フッ素チューブ
柔軟性比較試験
試験方法
・チューブ端部に錘50g を加え1分後のたわみ量を測定する
・試料は直管になるように事前にアニール加工を行う
※試験温度:20℃

試験結果
| 試料名 | たるみ量測定結果 (mm) |
| ①E-PD-4 × 6 | 28 |
| ②E-SJ-4 × 6 | 31 |
| ③市販 PTFE チューブ(4×6) | 7 |
| ④市販 PFA チューブ (4×6) | 6 |
※③PTFE チューブ、④PFAチューブは弊社製品ではありません
試験方法
・ホース端部に錘100g を加え1分後のたわみ量を測定する
・試料は直管になるように事前にアニール加工を行う
※試験温度:20℃

試験結果
| 試料名 | 最小曲げ半径測定(mm) | たわみ復帰半径測定(mm) |
| ⑤E-PDB-12(12×18) | 77.5 | 65 |
| ⑥E-SJSP-12(12×18) | 50 | 60 |
| ⑦PTFE(12×14) | ※ | 12 |
| ⑧PFA(12×14) | ※ | 22 |
| ⑨E-KYS-12(12×18) | 85 | 80 |
| ⑩E-KYC-12(12×18) | 50 | 27 |
※測定不能:アニール後に曲げようとすると70~100Rで折れる
※⑦PTFE チューブ、⑧PFAチューブは弊社製品ではありません
許容曲げ半径測定試験
試験方法
常温下(23℃±2℃)でd'の値がd×95%時のRの値を測定
※許容曲げ半径試験の定義
「チューブが折れずに、かつ流体が安全に流せる曲げ半径で、これ以上、小さな曲げ半径で使用しないでください」という意味合い

試験結果
| 試料名 | 許容曲げ半径 |
| E-SJ-4 × 6 | 25 |
| E-PD-4 × 6 | 25 |
| E-SJUS-4 × 6 | 50 |
| 他社製フッ素チューブ | 23 |
許容曲げ半径はある程度チューブが硬い方が小さくなります。

お問い合わせ
樹脂ホース・継手のトラブルやお困りごと
何でもお気軽にご相談ください!


