対象流体
油脂、食品油、動物性油、植物性油、サラダ油、菜種油、ごま油、マヨネーズ、チョコレート、クリーム、チョコレート 等
採用事例
問題点:食用油でシリコーンホースがすぐ劣化する
ある食品工場A社は従来、食用油・油脂を流すラインで、シリコーンホースのフェルール継手加締め品を使用していた。
作業後の洗浄効率を考慮してフェルール継手加締めのシリコーンホースを採用したが、食用油を流すとシリコーンホースは膨潤劣化してしまい、約2ヶ月位でホース交換をしていた。
八興からの提案・解決策
耐油性に優れた柔軟フッ素フェルール加締め品を提案した。
柔軟フッ素ホース【E-PDB】は内層が2フッ化系フッ素樹脂の為、油脂に耐性がありホースの膨潤劣化はほとんど無い。
また、内層材のフッ素樹脂は非粘着性があるため、ホース内に付いた油の洗浄時間も短縮できた。
柔軟フッ素ホース【E-PDB】フェルール加締め品を採用して、ホースの寿命が延びただけでなく、洗浄時間の短縮にも効果があった。
【柔軟フッ素ホース フェルール継手加締品】
耐油性比較 柔軟フッ素ホースシリーズ vs 市販シリコーンホース
試験方法
●目的:
各試料の表面への油の浸出度合いを確認し、耐油性を比較すること。
●手順:
①各試料に植物性油を封入後、70℃恒温槽にて7 日間安置。
②封入した植物性油を試料から取り除いた後、油とり紙の上に60秒間安置。
③油とり紙への油の付着度合いを確認。
●試料(各200L)
・スーパー柔軟フッ素ホース(E-SJB-12)※内径φ12
・柔軟フッ素ホース(E-PDB-12)※内径φ12
・市販シリコーンホース ※内径φ12.7
試験結果
市販シリコーンホースは油の浸出があり、不衛生な状態であることを確認。
一方、八興の柔軟フッ素ホースシリーズは油の浸出がなく、クリーン。
ホース表面の拡大図でも、八興の柔軟フッ素ホースシリーズは油脂・油の浸出が無いことを目視できた。
一方、市販シリコーンホースは、表面にぬるぬるとした油脂・油が浸出していた。
「油がホース表面に浸出し、べとべとになってしまう」「コンタミリスク」「ホース膨潤による継手抜け」等、
食用油・油脂の搬送に関するお困りごとを、八興の柔軟フッ素ホースシリーズで解決することができます。
軟質PVCホースの可塑剤:フタル酸エステル(DEHP)と食品衛生法の関係
食品衛生法において、「油脂、脂肪性食品を含有する食品に接触する器具および容器包装には、DEHPを含有するポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂を使用してはならない。ただし、DEHPが溶出または浸出して食品に混和する恐れの無い場合はこの限りではない。」(平成14年厚生労働省告示267号、2002年)とされています。
軟質PVCホースを柔らかくする成分=可塑剤を指します。
可塑剤にはいろいろな種類があります。その可塑剤の中で、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHP)が食品衛生法 厚労省告示267号の規制対象となります。
八興の食品用軟質PVCホース サンフーズ【E-SF】は耐油性可塑剤を使用しているため食品衛生法が定める油脂脂肪性食品類への溶出を想定した試験 n-ヘプタン項目の溶出基準をクリアします。(※ただし、可塑剤の溶出はゼロではありません)
※「食品衛生法等の一部を改正する法律」(令和2年6月1日施行)およびポジティブリスト(PL)制度への適合につきましては、下記をご参照ください。
HACCP、ポジティブリスト(PL)等、関連キーワードや具体的にどんな対応が必要か、等のお役立ち情報を掲載しています。
*改正食品衛生法(令和2年6月1日施行)について
熱湯洗浄について
八興の食品用ホースシリーズ(E-SF、E-KYS、E-KYT、E-KYC、E-OHB、E-PD、E-PDB、E-SJ、E-SJB、E-SJSP)の熱湯によるホース洗浄は80℃以下・30分以内・0.1MPa以下の条件まで可能です。
洗浄後はホースおよび、継手の状態を充分点検してからご使用ください。
通常の連続使用は、使用条件範囲内でご使用ください。
※KYチューブ【E-KYT】は圧力をかけずに(開放状態)洗浄してください。