有機溶剤
有機溶剤に耐性があるだけじゃない、帯電防止機能やUVカットもラインナップ
塗装用ホース、インク用ホース、シンナーなどの有機溶剤を搬送するホースには、接液部(内層材)の耐溶剤性が求められます。
また、可燃性がある流体の場合、静電気対策や、導電性ホースの要求、紫外線硬化型インクの搬送には遮光性と耐溶剤性があるホースが必要とされます。
採用事例
<半導体素材製造>
採用製品:スーパー柔軟フッ素スプリング【E-SJSP】×エイトロックS【E-ELS】
流体:アセトン、有機溶剤
採用ポイント:耐薬品性、低溶出性、ホース内面の平滑性、透明性
化学素材メーカーの基板洗浄装置にスーパー柔軟フッ素スプリング【E-SJSP】とエイトロックS【E-ELS】をセットで採用いただきました。
半導体素材などを製造するA社は、製品の製造工程でLED基板の洗浄にアセトンを使用していました。
・ユーザー課題
「耐アセトン性、柔軟性、低溶出性、耐屈曲性のある安全なホースが欲しい」
従来は、フッ素のフレキホースや市販の単層フッ素チューブを使用していましたが、洗浄装置自体がロボット的な動きをするため、繰返し曲げ応力によりホースが劣化をしてしまい2週間ぐらいでホースと金具の交換を余儀なくされていました。
・八興からの提案
スーパー柔軟フッ素スプリング【E-SJSP】とエイトロックS【E-ELS】を提案いたしました。
【E-SJSP】は、内層がETFEで外層がウレタンのため、接液部のETFEは耐薬品性バツグン、外層のウレタンは機械的強度が強く、繰返し曲げにも劣化しにくい素材です。
さらに八興ホース専用継手のエイトロックS【E-ELS】とのアッセンブリにより、流体漏れやホース抜けの問題もなく、安心して使うことができると評価いただきました。
コストに関しても両端カシメのフッ素フレキホースよりも安価になり、ホースの耐久性も良くなりユーザーご担当者様から『こんなホースを探していました!』と大変喜んで頂きました。
<廃液処理(産業廃棄物処理工場)>
採用製品:スーパー柔軟フッ素ホース【E-SJB】
流体:廃酸、廃アルカリ、廃油、有機溶剤
採用ポイント:耐薬品性、柔軟性
・産業廃棄物処理業界
産業廃棄物処理場には様々な液体が運ばれてきます。
廃液の中身はさまざまで、廃油、溶剤、薬品などの混合物は流体が特定できない場合があります。
・ユーザー課題
産業廃棄物処理工場にて、化学薬品の廃液処理ラインで使用するホースのことで頭を悩ませていました。
化学工場から回収した廃液を区分けして軟質塩ビ製ホースや、軟質塩ビ製スプリングホースで圧送して廃液をドラム缶に充填していました。
しかし、塩ビホースは数回の使用でホースが溶けてきたり、可塑剤の溶出によりホースが硬化し容易に曲げることができなくなったりしてしまい、1週間に1回の割合でホースを交換する必要がありました。
ホース交換に関連する労務費・労務時間が重なる他、工場で回収する廃液が劇薬・毒薬を含む可能性があるため、交換作業の危険性もネックとなっていました。
よって、ユーザー様は、ホース交換の回数を減らすために、耐薬品性に優れ、かつ柔軟性を有するホースを探していました。
・八興提案
スーパー柔軟フッ素ホース【E-SJB】を提案し、耐久性の確認のため無償サンプルを提出し、評価いただきました。
結果、ホースの寿命が10倍以上伸び、ホース交換頻度も10分の1になり採用が決定となりました。
ホース交換頻度低減に加え、ホース自体が柔軟なため、ホース交換作業自体が容易になり、作業の危険度低減にもつながりました。
また、スーパー柔軟フッ素ホース【E-SJB】は透明で中身が見えるため、ホースの痛み具合もわかりやすいとのこと。
今では、同社工場の他のラインでもバキュームが可能な「スーパー柔軟フッ素スプリング【E-SJSP】や専用継手「エイトロック【E-ELS】も併せて採用いただきました。
<シンナー用途>
・ユーザー課題
シンナーなどの有機溶剤の混合液を製造するA社では、混合液を搬送するのにフッ素(テフロン)チューブを使用していました。
製造品目によってチューブを使い分けているため、機械との着脱時 にフッ素(テフロン)チューブがよく折れてしまい、交換頻度の高さがネックでした。
課題:フッ素チューブの折れやすさ、硬さ、高コスト
・八興提案
八興からスーパー柔軟フッ素ホース(チューブタイプ)【E-SJ】 を提案した結果、シンナーは有機溶剤などの混合液になるため、耐薬品性や寿命については、どのくらい耐久性があるかが把握できませんでした。
そこで、現場製造ラインのご担当者にサンプルを提示したところ、スーパー柔軟フッ素ホース【E-SJ】の柔軟性に興味をお持ちいただき、サンプルにて耐薬品性の評価をいただくこととなりました。
結果、6ヶ月間の評価期間を経て、柔軟性、耐キンク性、継手挿入性が良好で、耐溶剤性についても従来のフッ素チューブ同様に劣化が見られないとのことで採用いただきました。
化学工業の皆さまへ
八興の柔軟フッ素ホースシリーズは、2フッ化系フッ素と4フッ化系フッ素の2種類があります。
ほとんどの耐薬品に耐性がある4フッ化(ETFE)系フッ素樹脂と、ガスバリアー性に優れる2フッ化(PVDF)系フッ素樹脂のホースがあるため、用途、流体によって使い分けてください。
製品比較表
型番 | 内層材 | ホースサイズ | 流体 | |||||
アセトン | トルエン | 酢酸エチル | キシレン | MEK | ヘキサン | |||
E-TB | 軟質PVC | φ4~75 | × | × | × | × | × | × |
E-STB | 軟質PVC | φ6~50 | × | × | × | × | × | × |
E-SP | 軟質PVC | φ8~50 | × | × | × | × | × | × |
E-SF | 軟質PVC | φ6~50 | × | × | × | × | × | × |
E-KYS | オレフィン | φ6~50 | ○ | △ | △ | △ | △ | △ |
E-KYT | オレフィン | φ2~8 | ○ | △ | △ | △ | △ | △ |
E-KYC | オレフィン | φ12~19 | ○ | △ | △ | △ | △ | △ |
E-OHB | オレフィン | φ25~50 | ○ | △ | △ | △ | △ | △ |
E-PD | 2フッ化フッ素 | φ2~8 | × | ○ | × | ○ | × | ○ |
E-PDB | 2フッ化フッ素 | φ9~50 | × | ○ | × | ○ | × | ○ |
E-PDB-F | 2フッ化フッ素 | φ19~38 | × | ○ | × | ○ | × | ○ |
E-SJ | 4フッ化フッ素 | φ2~8 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
E-SJ-CBU | 4フッ化フッ素 | φ2~8 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
E-SJ-BK | 4フッ化フッ素 | φ3~8 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
E-SJB | 4フッ化フッ素 | φ9~38 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
E-SJB-F | 4フッ化フッ素 | φ19~38 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
E-SJSP | 4フッ化フッ素 | φ12~38 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
E-SJSP-F | 4フッ化フッ素 | φ19~38 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
E-SV | ポリアミド | φ7.5~9.5 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
E-PFF | 4フッ化フッ素 | φ6.5 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
E-PFN | ポリアミド | φ6.5〜8.9 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
【注意事項】
記号の意味
○:使用可、適合 △:確認が必要 ×:使用不可
※耐薬品データの判定基準は一定の条件下で作成しています。従って、貴社使用条件、環境、期間によっては判定基準が○であっても適さない場合があります。
※ご使用の際は必ず貴社での実際の使用条件下でのご確認をお願いいたします