化粧品用ホース
無添加無香料化粧水・リキッドファンデーション・乳液など移送用ホース
化粧品搬送用ホースには、人の肌に直接触れるため、衛生性、低溶出、低臭気が求められます。
また、乳液など粘性の高い流体も多く、ホースの洗浄性、耐薬品性、透明性(流体、汚れの確認)を必要とします。
従来は、軟質塩ビホースが主流でコスト面、柔軟性が良いとされていましたが、現在は流体(化粧品)の多様化により、ただ移送するだけではなく、流体の純度を保つ工夫が必要とされています。
一般塩ビホース内で臭気が発生する理由
よって、臭気を低減するための対策としては、不純物や安定剤の少ないホースを使用する、という方法が挙げられます。
採用事例
問題点:化粧品への樹脂臭気の移行が気になる
化粧品受託製造を行うA社は、ユーザーである化粧品メーカーから、無香料化粧水に臭いがすると言われ製造工程で臭いが発生する原因を調査した。
調査した結果、軟質塩ビホースのビニル臭気が怪しいと言う事になり、八興に相談があった。
八興からの提案・解決策
軟質塩ビホースは、可塑剤、安定剤などの低分子量成分とアルコールや塩素系薬品とが、化学反応しやすいため、臭いの原因になる溶出成分が少ないホースが良いと説明、非塩ビのKYサンフーズ【E-KYS】と内層がフッ素樹脂のスーパー柔軟フッ素スプリング【E-SJSP】を提案した。
どちらも、可塑剤を含まない非塩ビホースで、溶出物質も極めて少なく、臭気の移行もほとんど無い、安心して使えると喜んで頂いた。
●焼却しても有毒ガスの発生を抑えるエコロジーホースです。
●内層がオレフィン系樹脂のため、低溶出性と耐薬品性に優れます。
●食品衛生法・食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)に適合。(n-ヘプタン適合)
※「食品衛生法等の一部を改正する法律」(令和2年6月1日施行)およびポジティブリスト(PL)制度への適合につきましては、下記をご参照ください。
*改正食品衛生法(令和2年6月1日施行)について
●内径サイズ:φ6.0~50
●内層が4フッ化系フッ素樹脂(ETFE)のため、優れた耐溶剤性・耐薬品性を有し、殆どの薬品に耐性があります。
●つぶれにくく曲げ保形性に優れ、バキューム(吸込み)にも使用可能です。
●食品衛生法・食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)に適合。(n-ヘプタン適合)
※「食品衛生法等の一部を改正する法律」(令和2年6月1日施行)およびポジティブリスト(PL)制度への適合につきましては、下記をご参照ください。
*改正食品衛生法(令和2年6月1日施行)について
内径サイズ:φ12~38
化粧品製造業のみなさまへ
無添加、無香料、防腐剤フリーの化粧水が人気になったことで、化粧水を移送するホースの需要に変化がありました。
ホースの樹脂臭気や、溶出物質、カビ・細菌の原因となる可塑剤を使用していない非塩ビ素材の樹脂ホースを選定するケースが増えています。
また、ウォータープルーフのリキッドファンデーションのように粘性が高く、洗浄が大変な商品の搬送には、ホース内面がフッ素樹脂で非粘着性に優れるスーパー柔軟フッ素スプリング【E-SJSP】がお勧めです。
製品比較表
型番 | ホースサイズ | 材質 | 化粧品 | ||
---|---|---|---|---|---|
水性 | アルコール系 | 油性 | |||
E-KYT | φ2~8 | 内層:オレフィン樹脂 | ◎ | ◎ | ○ |
E-KYC | φ12~19 | 内層:オレフィン樹脂 | ◎ | ◎ | ○ |
E-KYS | φ6~50 | 内層:オレフィン樹脂 | ◎ | ◎ | ○ |
E-OHB | φ25~50 | 内層:オレフィン樹脂 | ◎ | ◎ | ○ |
E-PD | φ2~8 | 内層:2フッ化系フッ素樹脂 | ◎ | ◎ | ◎ |
E-PDB | φ2~8 | 内層:2フッ化系フッ素樹脂 | ◎ | ◎ | ◎ |
E-PDB-フェルール | φ19~38 | 内層:2フッ化系フッ素樹脂 | ◎ | ◎ | ◎ |
E-SJ | φ2~8 | 内層:4フッ化系フッ素樹脂 | ◎ | ◎ | ◎ |
E-SJ-CBU | φ2~8 | 内層:4フッ化系フッ素樹脂 | ◎ | ◎ | ◎ |
E-SJB | φ9~38 | 内層:4フッ化系フッ素樹脂 | ◎ | ◎ | ◎ |
E-SJB-フェルール | φ19~38 | 内層:4フッ化系フッ素樹脂 | ◎ | ◎ | ◎ |
E-SJSP | φ12~38 | 内層:4フッ化系フッ素樹脂 | ◎ | ◎ | ◎ |
E-SJSP-フェルール | φ19~38 | 内層:4フッ化系フッ素樹脂 | ◎ | ◎ | ◎ |
型番 | ホースサイズ | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
洗浄性 | 低溶出性 | 低臭気性 | 耐圧性 | バキューム | ||
E-KYT | φ2~8 | ○ | ○ | ○ | △ | × |
E-KYC | φ12~19 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
E-KYS | φ6~50 | ○ | ○ | ○ | ◎ | × |
E-OHB | φ25~50 | ○ | ○ | ○ | ◎ | × |
E-PD | φ2~8 | ◎ | ○ | ○ | △ | × |
E-PDB | φ9~50 | ◎ | ○ | ○ | ◎ | × |
E-PDB-フェルール | φ19~38 | ◎ | ○ | ○ | ◎ | × |
E-SJ | φ2~8 | ◎ | ◎ | ◎ | △ | × |
E-SJ-CBU | φ2~8 | ◎ | ◎ | ◎ | △ | × |
E-SJB | φ9~38 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | × |
E-SJB-フェルール | φ19~38 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | × |
E-SJSP | φ12~38 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
E-SJSP-フェルール | φ19~38 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
【注意事項】
※製品比較表の表現は弊社製品の中での相対比較になります。
耐薬品性については、個々の耐薬品データをご確認ください。
記号の意味
◎:推奨、優れている ○:使用可、適合 △:確認が必要 ×:使用不可
低溶出性について
KYシリーズ(E-KYS、E-KYT、E-KYC)のJIS S 3200-7:2004『水道用器具・浸出性能試験方法』で下記項目で優れた低溶出性が確認されています。
浸出試験データ
※JIS S 3200-7:2004「水道用器具-浸出性能試験方法」による。
項目 | KYシリーズ | 軟質塩ビチューブ | ポリエチレンチューブ | 定量下限 |
---|---|---|---|---|
非イオン界面活性剤 | 検出せず | 検出せず | 検出せず | 0.005mg/L |
フェノール類 | 検出せず | 26mg/L | 0.014mg/L | 0.0005mg/L |
有機物「全有機炭素(TOC)の量」 | 検出せず | 30mg/L | 検出せず | 0.3mg/L |
ホースは接水面が大きいため、ホース材質によっては可塑剤・安定剤などが溶出する可能性があります。
上記データはKYシリーズの低溶出性を示しています。
熱湯洗浄について
八興の食品用ホースシリーズ(E-SF、E-KYS、E-KYT、E-KYC、E-OHB、E-PD、E-PDB、E-SJ、E-SJB、E-SJSP)の熱湯によるホース洗浄は80℃以下・30分以内・0.1MPa以下の条件まで可能です。
洗浄後はホースおよび、継手の状態を充分点検してからご使用ください。
通常の連続使用は、使用条件範囲内でご使用ください。
※KYチューブ【E-KYT】は、圧力をかけずに(開放状態)洗浄してください。